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毛皮製品の 「ラクーン」 の表示について

日本毛皮協会が見解を発表

 
 
平成 19年 11月 27日
(修正:平成24年1月16日)
 
   
 

毛皮製品の 「ラクーン」 の表示について、社団法人日本毛皮協会 が今秋、見解を発表していますので、ご紹介します。

結論的には、消費者がタヌキの毛皮とアライグマの毛皮を混同することを避けるため、タヌキの毛皮である場合には、動物の種類を示すときには 「タヌキ」 ときちんと表示するようにと、公正取引委員会からの指導があったとのことですので、品質表示にあたってはご注意ください。

公正取引委員会の示した タヌキの毛皮の許容される表示例
(例は、中国産タヌキの毛皮である場合)

1)毛皮 
2)毛皮 (タヌキ/原産国 + ラクーン)例: 毛皮 (タヌキ/チャイニーズラクーン)
3)タヌキ (生産国 + ラクーン) 例: タヌキ (チャイニーズラクーン)

表示の原則

種類表示
アライグマ
(ラクーン)
「ラクーン」 もしくは
「アライグマ (ラクーン)」
タヌキ「タヌキ」 もしくは
「タヌキ (原産地 + ラクーン)」 の併記 (どちらが先でもいい)

 

 

【この間の経緯】

同協会が平成 19年 9月 5日に発表したプレスリリースでは、「食肉目イヌ科のタヌキ」 と、「食肉目アライグマ科のラクーン (アライグマ)」 の毛皮は、どちらも (タヌキか、アライグマかにかかわらず) 「産地を記入した後に、ラクーンと表記」 し、ただし 「日本産のタヌキはタヌキと表記」 するとの見解になっていました。

しかし、その後、平成 19年 11月 15日付けのプレスリリースで、公正取引委員会の指導により、消費者がアライグマとタヌキを誤認しないようにするという方向が確認されています。

同協会が昭和 63年 (1988年) に発行した 「品名表示に関する規定」 では、タヌキとアライグマは別種の動物のため、それぞれ、「タヌキ」、「ラクーン」 と、区別して表示するという記載になっていました。

昭和 63年以前は、世界の毛皮業界で流通していたタヌキの毛皮の多くが日本から輸出されていたため、日本名の 「タヌキ」 が英語でも "tanuki" として通用していたようです。

ところが、その後、円高の影響で日本産のタヌキの輸出が激減しました。さらに、フィンランドでは 1970年代からロシア産タヌキを飼育して 「フィンラクーン」 の名で出荷しており、1993年頃からはこれが安定供給されるようになりました。さらに、国内の鳥獣保護法の指定もあり、1990年代末以後は、日本産タヌキはほとんど供給されなくなってしまいました。

一方、ロシア産のタヌキはかなり以前から 「ロシアンラクーン」 として流通してきたという事実があり、現在では、世界市場でも産地によって 「フィンラクーン」 「ロシアンラクーン」 「チャイニーズラクーン」 などと呼ぶことが一般化しています。

こうした状況で、毛皮の名称に通常は英語を用いている日本において、「タヌキ」 と呼称するのは国際的な呼称との整合性を失う結果となるため、同協会の 9月 5日付の発表となったようです。

しかしながら、公正取引委員会の見解は、以下のようなことだったようです。

毛皮は家庭用品品質表示方での表示義務がないので、単に 「毛皮」 と表示するだけでも問題ない。ただ、表記は日本人向けにするものであり、消費者に誤解が発生しそうな分野、あるいは、歴史ある日本語呼称のある場合には、日本語の使用が基本。

このため最終的には、タヌキとラクーン (アライグマ) は区別して表記するようにとの見解が発表されました。

【平成 20年 1月 16日 追記】 「ロリス」 とは何か?

消費者の方から、「毛皮の表示に 『ロリス』 とあるが、なんの動物か?」 との問い合わせがありました。

一般に、「ロリス」 というのは霊長類 (サルの仲間) の動物で、絶滅危惧種となっていますので、お問い合わせの方は驚かれたのだと思われます。

しかし、毛皮の業界では、「ロリス」 はまれに、「ロシアリス」 の略称として用いられているようです。これは本物の 「ロリス」 と混同する惧れがあるので、かなり問題ですが、決して絶滅危惧種を毛皮にしているわけではなく、「ロシアリス」 の毛皮ですので、ご理解ください。

 
   
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